犬たちの隠された生活
「犬たちの隠された生活」エリザベス・M・トーマス著 深町眞理子訳
表紙の裏にこの本について次のように書かれています。
「犬に意識はあるか?
犬はひとりでいるときに何をしているのか?
人類学者が自らの飼い犬を長年観察して解き明かした犬の生活の謎。
知られざる犬の生態を詳細かつ生き生きと描き、全米でベストセラーとなった犬の本の近年の最高傑作。」
「犬には思考や感情があるだろうか?
もちろん、ある。
もしなかったら、この世に犬というものは存在しなかったろう。」
エリザベス・M・トーマスさんは、飼っていた犬にたいして、
「どんな訓練もしたことはない」そうです。
犬たちの「彼ら自身がしたくてする行為を見きわめたかった」のです。
ともすれば、人間社会では、ダメだとされる放し飼いにも取られる飼いかたには、ハラハラしました。
著者の犬同士の生活への徹底的な観察眼は、犬たちへの愛情(共感でしょうか)にあふれています。
最近の愛玩目的に作られた小さい犬たちについては、
「生まれてくる仔犬は、副鼻腔も歯の数も普通の犬と同数だけ持ち、舌や、軟口蓋、鼻孔などの大きさも
普通の犬と変わらないのに、あいにく、これらの器官がすべて、変形した頭蓋のなかにむりやり
詰めこまれているため、適切に機能できるだけのスペースが足りないのだ」とあります。
どうしても、犬を飼いたい人たちにとっては、犬の小型化が必要な条件だったのでしょうが、 あまりにもそればかりに目が向きすぎかもしれないと思います。
「犬はなにを望んでいるか。彼らはほかの犬といっしょにいることを望んでいる」
「人間などは、彼らにとって、所詮、”擬犬化”された代替物にすぎず、このことはだれもが知っていることだ」と
いうことは、犬は飼い主にたいして、仲間と認識し、序列のボスとして認めているということになるのでしょうか。
犬が望んでいるのが、犬同士でくらすことなのかもしれませんが、人間も犬との生活を望んでいますから、 人間としては、犬がなるべく穏やかに暮らせるように、配慮することが義務になるというわけです。
一般的なペットとしての犬しか知らなかったので、この「犬たちの隠された生活」には、新鮮な驚きを
覚えました。
わが家の犬に対しても、だいぶ見方が変りました。もっと、犬としての資質を尊重したいと思います。
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