黒ラブのジョイ | 犬たちの礼節ある社会生活

犬たちの礼節ある社会生活

犬たちの礼節ある社会生活

「犬たちの礼節ある社会生活」 エリザベス・M・トーマス著 木村博江訳
(母のローナ・マーシャルも人類学者です。)

「犬たちの礼節ある社会生活」は、「犬たちの隠された生活」の物語のその後のお話です。
トーマス家では、犬たちは犬同士で群れをつくっていて、家族とは、距離を置いて暮らしていたわけです。
その犬たちも3頭の老犬を残すのみになっていました。

そこへ、新しく他の犬が加わることによってによって、「人間と犬との『種の境界線』」が越えられる」ことに なります。
「種の異なるもの同士が、種の違いを越えて他社とともに生きることを望み、たがいに本性をまげることなく、 それぞれの分をわきまえながら、心をかよわせる集団を形づくる主体がかならずしも人間にではなく、動物の 側にもあるという指摘興味深いところです。」

人間が5人、犬が7頭、猫が9匹、オウムが5羽の生活のなかで、「生きものたちがどのようにたがいに折り合いを つけ、絆をむすび、『社会生活』を築いていったか。」という物語が描かれているのです。

著者の徹底した動物本来の生活を尊重する姿勢が、貫かれているのは、「犬たちの隠された生活」と変りません。

以前からいた老犬の3頭を除いて、その後に順に飼われた犬たちが、犬たちの序列だけではなく、人間1人と犬1頭、 そして猫というブループが3つ、つくられたというのです。
それは、人間の序列(トーマス家の主人、著者の母、著者)にそったものとなっていきました。

年老いていく動物たちへの暖かくて思慮深い対処には、共感と尊敬を抱きました。
「私は犬を安楽死させることには反対であり、とくにまだ食欲があるうちはすべきでないと考えている。」
けれども飼い犬の安楽死を自らが決断しなければならなくなってしまう現実には、やはり何ともいいようのない 心情があふれていて、難しさを感じました。

著者が気が付かないうちに飼い犬に逆にしつけられてしまった話には納得でした。
犬が散歩をしてほしい時間になると、起こしたりするのがそれにあたるというわけです。

なんとか折り合いをつけながら、犬や猫の資質を尊重して楽しい生活にしていきたいという思いがより 強くなりました。

「動物の心とあなたの心がからみあう、鳥肌の立つような、体験を持つだろう。
なにがどうして起こったのかわからないまま、あなたはその動物と意思を通じあわせる。」に関しては、 まだその体験がないので、今後が楽しみになりました。